2024/05/21 09:59
何かのきっかけで急に「書きたい」との衝動が湧き上がることがある。それは、心を動かされた本に出会った時だったり、誰かとの会話から、またはぽやーっと湯船に浸かっている時のことも。
元日から私の心の中に居座り続けていたモヤモヤ、それが爆発したのは、この本「筆跡にきく」の編者である高森順子さんのSNS 上の呟きを見た時でした。それまで彼女のアカウントのフォローはしていませんでしたので、誰かがリポストしたものだったのでしょう。どこの誰の呟きなのかその時は知らず、ただどこにぶつけたら良いのかわからない感情をよくぞ文字にしてくれたという感謝から、アカウントの主のプロフィールをたどりました。「筆跡をきく」の編者?え?本棚に直行しました。2年前に新聞記事で見て送ってもらった本、まさにあの本の編者さんだったのです。現在、KIITO(神戸市中央区)で行われている「災間スタディーズ」の取り組みの中で、阪神淡路大震災30年めの手記を募集していることも知りました。書きたい!との衝動が湧き上がりました。何度かのSNS上でのやり取りの後、先日彼女にお会いすることができ、その時に、私が勇気をもらったあの日の呟きが炎上していた事を知りました。命の危険を感じるメッセージもあったと。彼女が心の奥底から絞り出した言葉は、私をはじめ多くの人に届き大きく心を動かした反面マイナス方向へも大きなエネルギーとして働いた。その事実をお聞きし、ますます「私は今これ(30年めの手記)を書かねばならない」と強く思ったのでした。
7月にまた神戸に来ます。その時に一緒に何かやりませんか?とお声かけをいただき、微力ながらワークショップを計画しています。詳細など追ってお知らせします。まずは、三宮に出かけるついでにKIITO2階のギャラリーに足を運んで欲しいということと、是非あなたの言葉で手記にトライして欲しいという事をお伝えしたいです。
大きな被害は受けていないし
とか
すぐに地方に避難したから
とか
そもそも生まれてへんかったし
とか関係なく、
何でも良いので書けそうな人は書いてみましょうよ。
「筆跡をきく」は風文庫で販売中、通販も対応しています。
高森さんが編み、出版されたばかりの「残らなかったものを想起する」も読み進めています。阪神以降、日本中に起こった多くの災害。写真や映像はもとよりアートや演劇など様々な分野で災害アーカイブとして研究、実践されている執筆者さん達。「残らなかったもの」「想起」というタイトルに込められた意味は何?当たり前だけど、人生知らないことだらけです。
2024.5.20