2022/01/19 13:46

あけましておめでとうございます。という挨拶が終わると、すぐにやってくる117日。「27年」という年月は、数字にするとずいぶん昔のようですが、何年たっても、断片的に様々な光景が鮮明によみがえります。朝、亡くなった方々に黙とうをして、その日を終えました。


  さて、一つ前のブログ「入院顛末記」の「その後」をお話したいと思います。少し長いです。ご勘弁ください。
 退院してしばらくは体力が極端に落ちていて、夕方にはぐったり疲れる毎日。それでも柔らかいものを少しずつという食事スタイルにも何とか慣れ、時短でしたがお店を再開することができました。と、その矢先。晩御飯を食べた後からお腹にかすかに痛みを感じる。

―――ん?まさか、違うよね。

―――まだ退院から一週間しかたってないし。

―――心当たりのある食べ物はないし。

―――ともかく柴田さんのYouTubeだけは見ないと。

―――19:30から。もうすぐ始まるし。(この日は、「東京ゴースト・シティ」の著者バリー・ユアグロー氏、訳者の柴田元幸さん、川上弘美さんの三者によるトーク配信の日でした。)

本を横に携えて聞き終えたけれど、途中何度も意識がお腹の痛みに向かっていた。

―――そうだ!体を温めたら痛みも和らぐかもと思い立ち、お風呂に入る。それでもやっぱ痛い。

―――えいっ!とっとと寝てしまおう。起きたら大丈夫になってるかも。

―――でも、今度痛くなったらもう少し早めに来てねって、退院する時先生も言ってたよな。

―――まだ、そこまで痛くないから、明日の朝病院行こうかな。

頭の中はぐるぐる、ぐちゃぐちゃ。布団に入るも、吐き気もしてきたので一大決心して夜間救急に電話。「今日は満床なので、来てもらっても入院できませんけど。」と言われたけれど、とにかく一度医師の診察を受けたいと伝え、タクシーで向かう。深夜の12時近くになっていた。

到着して問診が終わるなり、
「入院するでしょ?」と看護師さん。
「電話で病室無いって言われましたけど。」と私。
「部屋は何とかしたから入院しよう。そのほうがいいよ。覚悟決め。」
「えっ!レントゲンとか取らないで決めるの?」食い下がる私に、「じゃレントゲン。行こっ!」と先生の一声。まあねえ、ついこないだまで入院していてこの状況だと、問診だけでも「再発」なんだろうけど。。。レントゲン結果は予想通りで、結局、処置室以上病室未満のような部屋に案内された。病棟の夜勤の看護師さん(もちろん顔見知り)に、あらまあ、とにこやかに迎えてもらい、痛み止めの点滴も効いてきたし、お風呂にも入ってきたし、前回の入院時とはまるで違う余裕の再入院初日の夜は短く過ぎていきました。

  朝になり、「あらあ~。長谷川さんたら、早すぎるよ~。ナースステーションで話題になっているよ。」と、前回の入院中一番たくさん話した看護師さんがすっ飛んできた。担当の先生もすっ飛んできた。「いや、ホンマにね~。まさかまさかですわ~~。」笑いあう明るい病室。今回は、腸も動いているしこのまま絶食と点滴で行けそうだと先生に言われ、ほっとする。しばらくして、「申し訳ないんだけど。。。」と看護師長さんがやってきた。今、満床なのでうん万円の特別室に移ってほしいと。もちろん料金は通常価格で。結局、退院までほかの病室が空く事無く、3日間その部屋で過ごした。テレビは超大型、応接セット、キッチン付、お風呂もリゾートホテルのよう。カーテンもごみ箱までゴージャスなんだけど、広すぎて居心地悪いったらない。でも、これはもう楽しむしかないと動画撮影したので、VIPルームをご覧になりたい方は来店時にお声かけください。一緒に見ましょう()

  結局のところ、食べ物に気をつけないといけないけれど、一度に食べる量を少し減らして、一日5食とかにしないといけないみたいです。固形物を食べる日はいつになることやら、外食なんていつか実現する日が来るのだろうか、と先は見えませんが、逆に言えば、食べ物にさえ気をつけていれば元気そのもの。再発しないように、用心して過ごしたいと思います。

 本年も、風文庫のことをよろしくお願いいたします。

2022.1.19) 

© kazebunko/ashiya_mitsubachi since 2019