2020/06/13 15:13

Fair Trade」―その言葉通り「公正な取引」

生産者がいて、流通を担う人がいて、消費者がいる。どの人達も無理に何かをさせられたり、不快になったり、搾取されたりしない。当たり前のようで当たり前でない現実を私が意識し始めたのはほんの最近のこと。それは、風文庫で取り扱いをさせていただいている「ノク・シカタ刺繍ポストカード」との出会いからでした。→(オンラインショップにて販売中)


One village one earth(地球屋本舗)さん(http://1village1earth.com/)と知り合い、この素敵なカードを買うことによってバングラディッシュの女性たちの自立支援になるということを聞きしたのは約4年前でした。一箱古本市やみつばち古書部のお店番時に販売をするようになりましたが、まだその頃の私は「支援する」という気持ちが大部分で、フェアトレードの本当の姿勢=一方方向ではない=ということをまだきちんとわかっていませんでした。生産者(この場合バングラディッシュの女性たち)だけではなく、購入する人や流通の人(販売する私にも)など、かかわった人すべてにきちんと利益が支払われることが大前提ということ、長続きさせるためにはそれが必須だということ、すべてが腑に落ちたのは、ずいぶん経ってからでした。


あるとき、本関係のイベントで知り合った方が、「日本の国に税金を支払っていない某国のコーヒーチェーン店にはいかない」と話していた言葉が印象的で心に残りました。それまでの私は、その時に必要なものが気に入ったデザインで適正な価格であること=野菜などの食料品なら、新鮮で安くてその日の献立に必要なもの=という基準で買い物をしていましたが、自分が支払ったお金が次にどこへ行くのか、ほんのちょっとのお金だけれど、そのお金が社会の中でどんな役割をするのかを考えるようになりました。もちろん毎日買いもののたびに考えているほど神経質なわけではないです。念のため。


野菜は近所の八百屋さんで、本を買うのは地元の書店で、本を読むのは個人経営の喫茶店で。物を買う行為がその店を応援することになるというのは、今回のコロナ騒動の時意識していた人も多いと思う。でも、みんな支援のため何かを犠牲にしたわけではなく、「素敵な商品だから」「おいしいから」「楽しいから」お金を支払っていたはず。


店頭では「ノク・シカタ刺繍カード」以外には、パレスチナオリーブ(http://www.paleoli.org/)の「ハーブ入りオリーブオイル石鹸」(わたし、愛用中です!)と冬季には第三世界ショップの(https://www.p-alt.co.jp/)チョコレートをお取り扱いしています。現在は休止中ですが、店内でお出ししているコーヒーも京都伏見のグリーンアイズコーヒー(http://www.w-mama.com/ami/coffee.html)のブレンドコーヒーを。これも、単にフェアトレードの豆を使っているからというだけではなく、焙煎のこだわり(焙煎時間が長いことにより油分が少なく、胃にもたれないというところと、その焙煎によるやさしい味)が好きで仕入れをしています。

 

「チョコレートと青い空(堀米薫・小泉るみ子/そうえん社)」は、ガーナのコーヒー農園での児童労働を日本の子供たちにわかりやすく説明している児童書で、毎年夏休みには、自由研究と読書感想文におススメしています。

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